自然の花園1
アラスカには低地に高山植物がたくさん出現しているので、それを見るのは容易なようであるが、夏の開花期には蚊の大群におそわれることがあるので注意が必要である。
中国東北部大平野の北辺、黒竜江の南側に小興安嶺というさざなみのように重なった丘陵性の山脈がある。
そこにメドウ・ステッペの花園がひろがる。
とうぜん、自然保護のため花 種を取って帰ることはできない。
私は昭和十五年の夏にそこを南から北へ一直線、黒竜江の岸まで旅行し、その美しさに一目惚れしてしまった。
丘陵の間の低地中腹は花園になる。
オミナエシ、キキョウ、ワレモコウ、ナデシコ、リンドウ、ヤツシロソウ、フクロソウ、シオン、トウヒレン、カラマツソウ、ヤナギタンポポ、ツリガネニンジンなどのような、日本の秋の七草の花そのもの、またはそのごく近縁種が咲き出してくる。
オミナエシの多い所は黄色の原に、キキョウは紫色の原に、カラマツソウは白い花園になったりしている。