自然の花園2
花の間を歩きまわるのは容易で、よく見ると下生えの小型の草の花も多い。
そして丘陵の上にはシラカバの疎林があり、その尾根の上にはウスユキソウの花が咲いている。
日本人の目からみて、奇異でもなんでもないありふれた花だが、みごとに集団美となっている。
これがメドウ・ステッペの花の群落である(図IV-1)。
ペンタキープがないのにこれだけの花が咲いているのが驚きだ。
メドウ・ステッペはチェルノーゼムとよばれる黒土の上にできた草原である。
ロシアのウクライナ地方で、乾燥しきったステッペと針葉樹林帯の中間に膨大な面積を占めている。
その母体のチェルノーゼムという土は、何十万年ものあいだ毎年その上の草が枯れ、天から降下した風塵の土と混じった腐植質からできた土で、石はまったくなく、柔らかで水もちはよく、養分に富み、農業をやるのにいちばんすぐれた土という評価を受けている。