自然の花園4
とはいえ、このメドウ・ステッペは低地に低湿原をはさんでいるので、そこから吸血性の虻が大発生する。
ちょうど七月~八月の花の頃は虻の大発生期となり、昼間は人も馬も野外行動がほとんどできないようになる。
メドウ・ステッペの花園は、地獄の花園のようなものだということもできよう。
美しい自然はそれなりにまたきびしい代償をも要求してくる。
春の道端に咲くスミレ、タンポポ、レンゲソウの花は子ども時代を農村で過ごした人びとにとっては、なつかしく、親しみのある花であろう。
これらの花 種は雑草とよばれる植物で、人間が生活のため自然破壊をした環境に適応しているものであって、純然たる野性の生態系に適応しているものではない。
スミレは「万葉集」の中にもうたわれているが、レンゲは登場しない。
レンゲは古く奈良朝の頃になって、中国の江南地方から、たぶん意図的に導入したものらしい。
タンポポもまた万葉集に出てこない。